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スタッフブログ

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2012/08

エントリー

余熱でじっくり焼き上げます。(遠野)

  • 08.26
  • 2012

おそらく自分の当番なのだろうと思って記事作成中。
たとい間違っていたとしても何ら支障は無いので気にすることもありません。

さて、日毎に日の入りが早くなるのを実感しつつ、夏という季節も終盤に差し掛かってきたように感じます。
残暑という語にはそこはかとないノスタルジィが込められているような気がしてなりません。
きっと学生時代の「夏休みが終わって欲しくない」という単純な念に起因しているのでしょう。
無論、夏休みの宿題なるものは、夏の最後まで大事に大事に残しておく人柄だったのも関係しているに違いありません。

時候の話も終わり閑話休題。

お決まりの唐突さですが、映画熱が再燃しております。
この夏の一月ほどで『ダークナイトライジング』『プロメテウス』『るろうに剣心』『アベンジャーズ』と粗方メジャー所を制覇したわけですが、何かしら素晴らしい作品に出会えると自分にも何か出来るのではないか、と沸沸とモチベーションが湧き出てきます。
例えるならば、ジャッキー・チェンの『酔拳2』を観てつい酔拳の真似をしてしまう子どものような心境です。ホアチョー。
つまりは、インスパイアに近いものなのでしょう。
単純に個人の性格に因るという点も否めないわけですが。
とにかく笑いであれ泣きであれ感動するというのは、創作をする上でとても重要なことではないかとひしひしと感じるのです。
まだ休みが残っている人がいれば映画館に足を運んでみるのも一興ですよ、という話。

#7 外注さんははぐれメタル?(藤田)

  • 08.21
  • 2012

ご覧くださいませトップ絵に遂に葬送カノンの絵が入りましたよぉぉぉぉ!!

いやツイッターでも何でも早く告知しろよ(ツッコミ)

でもご覧くだされ超可愛いですよぉぉぉぉ!!

夏休みで脳まで蕩けた藤田が御送りする葬送カノン制作記第7回!そろそろ葬送カノンの内容に触れて行きたいですね!

が!理性的な他のメンバーによる検閲が必要と思われますので今回は外注さんについてのお話で。

ウチは絵師さんがいませんので前回、今回と外注さんにお願いしてます。そして毎回一回は逃げられてます。前回については逃げた段階では私はリーダーじゃなかったので深い理由は分かりませんけど、今回も最初にお願いした絵師さんが突如音信不通……理性的に対応したものの無駄にした時間や、音信が途絶えた時に信じてメールを送ったりして不安で磨り減った神経を帰して欲しいですが、進んでから逃げられるよりはマシ……かな?

逃げられるって言うのはゲーム制作の進行上のダメージも大きいですが、やはり精神的ダメージも大きいです。何か自分に至らぬ事があったんだろう、とか知らぬうちにやる気が萎える言動をしてしまっただろうか?と、自分を責める事は暫くありました。音信不通で逃走されてしまうと特に辛いですし、外注さん募集で「とにかく最後までやっていただける方」と書き添える方が多いのも分かります。

でも話し合いの上で離脱ならともかく、いきなり音信不通は結局理由は分からないんです。勿論自分の進行やコミュニケーション、組織体制に問題が無いか省みる機会ではあります。でもきっと逃げてしまうのは珍しい事ではないのでしょう。だから今思えば、逃げられた事をウジウジ気にしてるより気持ちを切り替えて今までを無駄にしないための対応を考えた方が建設的です。

そう思えたのは、多分自分が一人じゃなかったからです。拙い運営でもついて来てくれるメンバーがいるからめげても立ち直れました。失った物を数えず、今あるものの大切さに再度気がつけたなら、それもまた経験です。

そして運良く次にお願いした絵師さんが凄く優秀な事だってあるんですよ!ご覧くださいトップ絵のキュティーなヒロインを!まだお名前出していいか確認してないので言えませんが、絵の素敵さは勿論、仕事が早くてレスポンスも早くて苦手な絵にも挑戦して頂いてそれも凄く頑張って凄く素敵な絵をまた作っていただいて、とにかく本当に「この人に頼んで良かった」としみじみ思っております。

青春カルテットの絵師さんも、メンバーのお友達でしたが、無理を聞いていただいて丁寧に想像以上に素敵な絵をご覧の通り仕上げていただきました。最初に逃げてしまった方よりも最後までキッチリ良い仕事をしていただける方にお願いできた結果の方が良いです。

だから逃げられた痛みに怯むのも分かりますが、めげずに次の一手を打てれば良い結果に近づけますから、不信を振り払って頑張る事は無駄じゃないと思います。ウチの場合は制作の佳境で逃げられたわけではないので、ダメージも小さい方だったから言えるのかもしれませんが……

「逃げられる事もある。だからこそ良い方にめぐり合えた」というポジティブシンキング大切、という結論でまた次回!

でもでも、なんで逃げられたんだろう……(ウジウジ)

残暑お見舞い申し上げます(ホコロ)

  • 08.20
  • 2012

残暑厳しい中、皆様いかがお過ごしでしょうか?

夏バテなどなさっていませんか?

私はバテバテです。

おかげで昨日も頭痛が酷く、更新が出来ませんで……

ま、頭痛の原因があっつい部屋の中で昼寝したからだというから、言い訳にもなりませんがね!

自己管理大切!

 

近頃はだいぶと朝晩涼しい日もありますが、逆にその日中との気温差が堪えます。

夕立も多くなり、雷も堪えます。

みなさん、雷お好きですか?

私は大の苦手でした。

雷のゴロゴロが聞こえ出すと心拍数が上がり、家の中にいても落ち着かない。

雷鳴が聞こえないように音楽を大音量で聴き、稲光が目に入らないように硬く瞑り、ただ時が過ぎ去るのを待つ。

さすがに今は平気になりましたが、やっぱり屋外で雷鳴がすると心拍数は上がりますね。

雷鳴が聞こえたら、いつ自分の頭上に落ちてくるか分からない……

とにかく屋内に避難です!

 

時に人の命をも奪う自然現象。

しかし、その稲妻は時に人の心をも奪います。

 

雷かっこいー

ただ空から地面に向かって電気が流れているだけだというのに、なにあの芸術的な文様。

真っ暗な雲の中からこんなにまばゆい光が。

安全な屋内に入ってしまえば、むしろ嬉々として雷を見てしまいます。

山間とか遠くに落ちているときはいいんですけど、近場でスパークされるとかなりの目潰しで眩しいというか痛いんですけど、見ちゃうんです。

窓から見える避雷針に落ちる瞬間を目撃できないかとワクワクしながら見てたらえらい目に合いました。あ、えらいって関西弁ですかね?

雨を伴うのも楽しいです。

余計落雷しやすくなるというので、屋外にいるときは戦々恐々ですが。

周囲をきょろきょろ、落ちそうなものからは2メートルは避難です。

落ちた張本人よりも、その近くにいた人の方がダメージが大きいこともあるそうですから大変です。

でも、雨足が強まるたびにテンションも上がっていきます。わっひゃー。

雷雨ではないんですが、豪雨で傘が破壊されてずぶ濡れになったときはテンションおかしくて往来で大爆笑してしまいました。人気のない通りでよかった……

積乱雲の形もいいですよね。

秋は空の色が綺麗で、夏は雲の形が綺麗です。

 

こういう自然現象の美しさ怖さも上手に描けるようになりたいなーと思いつつ、最近そういう練習してないなと反省です。

まずは、観察あるのみということで。

 (ひなみや)

  • 08.13
  • 2012

トップ画像を更新

屋台を食べ歩きしたい食欲の夏(ひなみや)

  • 08.12
  • 2012

夏ですね!
毎日暑い日が続きますが、と続けたいところですが比較的暑さ自体はさほど苦手でないようで、割合快適な日々を過ごしております。本当にそこは関東域なのか、と藤田さんに疑われました(笑)今年はまだお祭りに行けてないのですが地元で一番大きなお祭りが8月下旬なので行きたいなあと思っています。

さて、というかなんというか、話のネタが特にないので、ほぼ個人ブログからの転用ですけどもスクリプタらしく吉里吉里/KAGのマクロでも置いてみますね。マクロ化はどこまでマクロにするかとか、たとえば[立絵 キャラ=○○]にするのか[立絵○○]にするのかなど人それぞれですが、個人的には(シナリオさんに手を入れて貰う機会が多いのもあり)本文のスクリプトはできるだけまとめてしまうのが好きです。

◆台詞表示用マクロ
;表示形式(()内省略化)
[キャラ名(kana=キャラ名の読み仮名 括弧=括弧の種類 size=本文のフォントサイズ namesize=名前部分のフォントサイズ )]

;★ 台詞開始 ★
[macro name="mes"]
[cm]
[current layer=message0]
;キャラごとに表示色変更
[font size=21 color="&mp.namecolor"]
;名前が長すぎて入らない場合はフォントサイズ変更
[font size=&mp.namesize cond="mp.namesize != void"]
[nowait]
[emb exp="mp.who"]
;仮名指定があれば仮名表示
[if exp="mp.kana != void"]([emb exp="mp.kana"])[endif]
[endnowait]
;文章開始
[r]
[eval exp="mp.size = 22" cond="mp.size == void"]
[font size=&mp.size]
;指定がなければ「」
[eval exp="mp.括弧 ='「'" cond="mp.括弧 === void"]
[if exp="mp.括弧 != void"]
	[eval exp="f.括弧 = mp.括弧"]
	[ch text=&mp.括弧]
[indent]
[endmacro]
;★ 文末 ★
[macro name="np"]
[endindent]
;パターンを増やすときはここだけ増やす
[ch text="」" cond="f.括弧 == '「'"]
[ch text="』" cond="f.括弧 == '『'"]
[ch text=")" cond="f.括弧 == '('"]
[eval exp="f.括弧 = void"]
[p][hr][cm]
[resetfont]
[endmacro]

;キャラごとにそれぞれマクロ化

[macro name="小鳥"][mes * who="小鳥" kana=ことり namecolor=0xcaffa6][endmacro]
・
・
;汎用
[macro name="?"][mes * who="%name|???" color=%color|0xFFFFFF][endmacro]

;使い方

[小鳥]
ことり、王子様を見つけてしまいました
[np]

[??? 括弧=『]
ここがオマエの墓場だ……
[np]

;表示結果

小鳥(ことり)
「ことり、王子様を見つけてしまいました」▼

???
『ここがオマエの墓場だ……』▼

#6 閃きの神は降りてくるのか?(藤田)

  • 08.07
  • 2012

「葬送カノン制作記」というカテゴリでありながら「葬送カノン」の内容に一切触れてない事に今気が付いた男、藤田です。
いや、立ち絵も揃って公開出来る事はもうほぼ確実だと思うのですが、俺が書くとしれっと無意識にシナリオの肝を説明してしまいそうで……作品ページの紹介文とかどうしようか……

と、いういずれ来る現実から目を逸らして第6回!何か前回までを読み直すと「ヘボリーダーが上から目線で制作指南」で、制作記っぽくない。とはいえ振り返れば思い出すのは何度も何度も修正(というよりトランスフォーム)したシナリオ修羅場と探しても探しても終らない素材探索修羅場……じゃあ今日はそのシナリオ制作修羅場(自分のみ)のお話を。

誰も信じてくれないかもしれませんが、私これでも文章書きで小銭を稼いでまして、今は少し違う事をやってるんですが以前は穴埋め文章を作ることが多く、時間が無いときにとにかく何でもいいから空いてしまったスペースを埋める文章を速く書く、っていう事をやってました。だから文章を生産するのは遅い方ではありません。が、シナリオはボリュームさえあれば良いわけでもなく、今回は見事に迷走したシナリオを連発しまして。正直最初のバージョンは今や自分で見るのも辛い。最終形が完成するまで書いたシナリオ原稿用紙換算で1281枚。

何故、何故そんなに書いた?と聞かれたら書いてる最中は「閃きの神が降りてきたから……」と言ったかもしれません。
ですがようやく一段落してわかったのは、違う、それは閃きの神ではない。唯のマイブームが変遷して書きたいことが違っただけや、という事です。

青春カルテットよりはかなりのボリュームアップはしたものの、葬送カノンも大作、と言うほどのテキスト量はありません。しかし私としては物語を腰を据えてこんなに書く事はなかったわけで。そしてプロット通りに書けない為、書きはじめと終了時で嗜好が変わればほぼ迷走するわけで……
多分ですがプロット通りに書けない人はきっと書いていくうちに今書いてる物語に対する不信感が膨らみやすいのだと思うのです。プロットがしっかりあって、それを指標に書くのであれば、自分が何を狙って今書いているのか分かりますから、書き始めの嗜好も思い出して確認できます。
しかしそうでなければ書くほどに最初書き始めたほどのモチベーションはキープできず、そういう時に思いついた新しいアイディアは今書いてるシナリオの不信感が大きいほどに、まさしく神が降りてきたような開放感に満たされます。そしてそれを取り入れたい衝動は非常に強く、場合によっては今書いてるシナリオを破棄してしまいます。新鮮さは根気を殺す毒を持っているのです。
今回に関して言えば迷走しましたが、何故か主人公以外の主要登場人物はあまり変遷しなかった為、最終形で登場キャラがかなり生かせたというプラスポイントはありました。プラスポイントはそこだけですが。
でもプロット絶対主義を今回を教訓に主張するのも難しく……勢いが産む名シーンてありますから。ビシッと決める部分と柔軟性のバランスが良いのが一番いいのでしょうが、それが出来れば苦労しない。

青春カルテットの時も何度も書き直して「変わるたびに読まなきゃいけない他のメンバーのことも考えろ」と怒られた事があり、今回はそれをまたやってしまって、さらにボリュームも大きいので他のメンバーさんには書き直しによる進行遅延も含めて申し訳ないと反省してます。

次回以降にもっと大物のシナリオを書く事もあるかもしれません。というか書きたい。せっかく複数シナリオさんがいますので協力して貰いたい。しかしまた「閃きの神」に振り回されるようであればそれはあっさり頓挫するでしょう。勿論本当に素晴らしいアイディアを産む事もあるのでしょうが、まずは地道に最初に書きたかったことにそって書く。これが完成には一番の近道です。

「閃きの神」が降りてきたと思ったら、自分の中で反芻して、もしくは他の人に聞いてみて、本物かどうか見極めて、その上で針路どうするか判断。一人で作っているわけではないのですから、こういう時こそ仲間の力を借りてみてはいかがでしょうか?勝手に進めて何度も完成品を読まされるよりは、作品像の共有・確認も含めて有意義だと思います。

「ちょっとまて そのひらめきは 本物か?」

指差し確認で進めていきましょうーではまた次回!

お試しSS 四幕(fol)

  • 08.05
  • 2012

 

 疾く走る。
 二人は、微かに漂う腐臭に手繰り寄せられて土を蹴り駆け抜ける。

 常茂は状況の打破、手掛かりを逃さぬようにとすぐさま抜刀できる姿勢を維持して力強く走っていた。
 そして彼に同調し背を追うように付かず離れずと八夜は距離保っていた。
 周囲への警戒を除けば両者は走ることのみに集中していた。それでも単純な身体の造りでいえば大柄で且つ鍛えている常茂のほうが有利であったが、ここまで両者の距離、速度に大きな差異は見られなかった。

 そのことに気づいた常茂は少しだけ胸を撫で下ろす気で呼吸を整えた。
 妖異を見つけその手で討つこと。
 護衛の任として八夜を守ること。
 目的と主命。その両天秤が釣り合っていることに僅かながら安堵した。
 そして、目測が得た情報を吟味するようゆっくりと減速して足を止める。
「見えたな。どうする?」
「まずは臭いの原因……と、これは」

 二人の視界の先には、申し訳ない程度の簡素な竹柵で四方を囲まれた土地、墓地の入り口が見える。
 ここも村同様に周辺の自然は荒れ果てており、野ざらしに男の亡骸が倒れ伏していた。
 また、遠目からでもそうと断定可能なまでに腐敗し、何より違和感は。

「異人の装い、肌――などは判別がつきませんが……」
 八夜は死体を見下ろしたまま言葉を切り、吟味し思案をする。
 目算、妖異が化けていると考えた人物は、にべもなく屍骸を晒している。仮に妖異が野垂れ死にしたと楽観することはできるはずもなく。
 常茂は周囲を警戒してから遺体を見下ろし、感想として喉元に留めず口を開く。

「外傷はないように見えるんだが……逃げた異人がこいつだとしたら、妖異ってのは虚言だったのか?」

「どうでしょうか。目撃者がいたことを踏まえれば人数に関して嘘はなかったと思います。人相に関してはこの通り原型も確認のしようがありません。もし、この異人が別件の別の人物というのであれば、話も変わってきますけど」
 それこそ楽観がすぎるものとして八夜は一笑して表情を締め直すと、両の手を合わせ死者への敬意と短く拝んだ。

「まずは出来ることから調べましょう、常茂殿。塩の塊、まだ持っていますよね?」
「食うわけないだろ、ほら」
 八夜の言葉に常茂は眉を浮かせながらも布袋を八夜へと寄こす。
「中から出してくれ。白い包みが岩塩だが……何に使うんだ?」
「それは、常茂殿が想定していてくれた通りに」

 袋から白い布包みを取り出すと手のひらに乗せ、折り重なる布地を解きほぐして中身を検める
「なっ……!? こりゃあ……」
 驚きの声をあげたのは常茂。見たものが信じられないと、八夜に説明を求める。

 落とした視線の先には塩の結晶が形を変えることなく鎮座していた。しかしその色は、元の色である透明に近い白を残しながらも外周部のみであったが全体からすれば約五分の一ほど染めたように黒ずんでいる。
 元より魔除けとして購入したものであったと思いながらも常茂は釈然としない思いで首を傾げる。
「俺の想定って……訳がわからんのだが八夜?」
 苦虫を噛み潰し警戒さえしていなければ頭を掻き毟りたそうな表情を浮かべると、八夜の肩で大人しくしていた夏藻が短く鳴き、八夜はその物言いを受け取ったのか苦笑して。
「そうですね、一つずつ順を追っていきましょう。ではまず……どうしてこの塩が黒ずんだがはわかりますか?」

「そりゃあれだろ、穢れってやつだ。こんな……っていったら悪いのはわかってるが人が大勢死んだ村なんだ、陰陽師やら坊さんいうところの良くないものってのが溜まっていたんだろう?」
 常茂の回答に八夜は笑み頷き、言葉を継ぐ。
「だいたいそんな感じです。ただ、人の死というものは色々ではありますが通常、こんな風に黒ずむほどではありません。仮になる状況があるのだとしたら、それは怨霊、幽霊、化生――、一部の妖異とされるモノが生まれてしまうほど強力なものでしょう」

 この国における穢れとは本来、人の世に存在してはいけない歪みを指していた。死に入った人間の苦や情念、この世に留まり続けてまで世の理を曲げる不条理。そうして膨らんだ穢れはいつしか顕現し形を成す。
 とはいえ、妖異全てが、また存在そのものが穢れに繋がるわけでもなく。その力の発露、もしくは害意によって無意識に流出させる痕跡のようなものであった。

「なら黒くなった以上、そうした強力なのを吸った……結論として元凶である力を使った妖異は必ずいると?」
「ええ。その正体に関してはわかりませんが、そこは間違いないかと」

 状況として手掛かりとなるのは目下にある遺体。
 疑いだけならば、息を潜めた妖異かもしれない。
 妖異に決まった形も在り方はない。八夜は肝を据えるように気を吐き。

「何かあった時は頼みますよ」
「わかった。任せとけ」
 軽く吐いた言葉が言い終えるか否かに、常茂は鞘走りの音をゆっくりと鳴らして白刃を掲げ構える。そして八夜の手は躊躇なく屍骸の衣服を掴み、仰向けになるよう転がした。
 変わらず腐敗した遺体であり、土で汚れていることを除けば目立った外傷は見当たらず開いた口、黄ばんだ歯から粘性を帯び、片目の開いた眼は空洞を晒して反応することも当然なかった。

 八夜が男の検分を始めて暫くすると。
「しかし八夜よう、このままだと俺ってすごい間抜けじゃないか……?」
「えっと……はい、そうなりますね」
 苦笑を交えて頬を掻く八夜。必要な事態とはいえ傍から見たらのなら物盗りや強盗の類にもで間違えられても弁解はできないだろうと肩を落とす。
「妖異の手掛かりといえる目ぼしいものもありませんね。ところで常茂殿、その辺りに目玉は落ちていませんか?」
「目玉ァ?」
 聞き返しに八夜が頷くと、常茂は辺りの地面に視線を流してやがて自らの足元に転がった路傍の石と見紛う大きさの球体を見つける。
「これか?」
 常茂は顎で見つけた球体を指す。八夜は近くに寄ろと屈んで確認をして。
「ええ、これです。動物に食べられてなくて幸いでした」
「目玉……ね。何かあるのか?」
「実は妖異が食べたのかとも思っていました」
「妖異が? なんでまた」
 八夜は片手で自分の片目を覆うようにして話を進める。
「前の被害者も片方目玉がなかったんですよ。腐り落ちた……とも考えましたが、仰向けになった遺体の真下ではなく、離れた場所にある以上何かあるのだろうと」
 もちろん偶然の可能性があることも含み、目玉を抜くことに意味も。

「なんにせよ、この村の遺体も調べてみましょう。仮に男のような状態ならば……」
 考えているためか陰の深くなった八夜の頭をくしゃりと乱して常茂が笑い飛ばす。
「妖怪目玉喰らいってか。まあ盗られないように気をつけておくよ」
「ありがとうございます。では行きますか――」

 八夜の声を遮ったのは羽ばたき。
 弾かれたように飛び上がった夏藻は、なお上空で旋廻を続けながら鳴き声をあげる。

 その声を受け取った八夜はすぐさま反応し。
「常茂殿、警戒を!」
「お、おう!」
 咄嗟の剣幕に面食らいながらも握った刀に再び強い力を込める。空いている手は腰帯の間に差していた金砕棒を抜き、体勢を整え。
「相手のいる方角はわかるか?」
 そうして両手の獲物を構え終えると背中に庇う八夜へと声を飛ばす。
「しばしお待ちを、夏藻!」

 声に応え鳴き声ひとつ羽音。同時に羽を舞わせながら大鴉は定位置へと降り立つ。
「周囲に散りぢり、囲まれていますね。それとどうやら墓を暴く手間が省けたようです」
「そりゃどういう意味だ?」
 八夜に疑問を投げかけたが、返答を待たずに知ることとなる。
 視界に揺れ蠢く人影が現れたことによって。
「予想的中ってことか」
 ひとりごちるように呟きながらも相手の動向を探る。

 遠目には酔っ払った人間の千鳥足にも見えないこともなかったが、足を引きずり歩く地を這うような鈍重な歩み。そして常人在らざる血の気がなくなった青白さを通り越した紫染めの肌。
 両揃いの目玉はどこも見ておらず単調な動きはどこか傀儡を思わせた。
「八夜、他のはまだ見えないなら先に潰すぞ?」
「わかりました。くれぐれもお気をつけて」

 八夜の返答に常茂は自信を漲らせて口を曲げて刀で肩を叩いて見栄を切る。
「はっ! わかってるさ。こっからはこっちの舞台、活躍しかと見届けろよ」

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